【2026.8.16】パワハラで休職した後、給料はもらえるの?|労働法の「休職中の待遇」と傷病手当金をわかりやすく解説

労働法・働き方
神崎教授
神崎教授
蓮君、今日のテーマは「パワハラで休職したときの給料」だ。上司のハラスメントで心身がボロボロになって会社を休まざるを得ない人は結構いるんだ。その時、会社はいくら払わなきゃいけないのか、一緒に考えてみようか。

パワハラによる休職と「給料の義務」

もしあなたが上司からのパワーハラスメント(以下、パワハラ)が原因でうつ病やストレスで働けなくなった場合、会社は給料を払う義務があるのだろうか。この問題は労働法の中でも最も悩ましい問題の一つなんだ。

実は民法第536条第1項という法律があってね、「会社側に責任がなく、労働者が病気などで働けない場合、会社は給料を払わなくていい」という原則があるんだ。でも、パワハラはちょっと違う。会社(正確には上司や経営層)に責任がある場合は、その責任の程度に応じて、給料を払わなければならないことが多いんだよ。

つまり、パワハラが原因で休職した場合、会社が「いじめのような言動」や「不当な扱い」をしていたことが証明されれば、会社側の債務不履行(契約上の約束を守らなかったこと)として、給料の支払い義務が生じる可能性があるわけだ。

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蓮
でも証明って難しくないですか?パワハラを「証明する」にはどうすればいいんです?

パワハラの証明と「民事上の責任」

いい質問だね。パワハラを証明するのは実際難しいんだ。ただ、民事事件(民事裁判)では、刑事事件ほど厳密な証明は求められないんだよ。「優越的地位を使った嫌がらせが、より可能性が高い」くらいの証拠でいいんだ。

証拠としては、以下のようなものが有効だ:

  • 日記やメモ(パワハラの日時、内容、目撃者)
  • メール・LINEなど文字記録
  • 医師の診断書(ストレスが原因だと記載されたもの)
  • 同僚の証言
  • 会社の相談記録(HR部門に相談したログ)

これらが揃っていれば、裁判所は「会社側に責任がある」と判断し、給料の全額または一部の支払いを命じることが多いんだ。実際、最高裁判所の判例でも、パワハラが原因での休職給は認められている。

傷病手当金と「二重取り」の問題

ちょっと複雑になるんだけど、もし君が社会保険(健康保険)に加入していて、医師の診断を受けていたら、健康保険から「傷病手当金」(しょうびょうてあてきん)という一種の保障が出るんだ。これは、給料の約3分の2の額を、最長1年6ヶ月の間、毎月受け取れるという制度だ。

ここで問題になるのが「二重取り」だ。もし裁判で会社が「給料を払え」と命じられても、既に傷病手当金をもらっていたら、どうなるのか。法律では、傷病手当金と給料は「調整」されることになってる。つまり、給料と傷病手当金の合計が、元々もらっていたはずの給料を超えないように計算されるんだよ。

神崎教授
神崎教授
ポイントは、傷病手当金を受け取ったからって、給料請求権がなくなるわけじゃない。ただ、受け取る額が調整される、ってことなんだ。

会社側が「休職命令」を出した場合は別

ここで重要な違いがあるんだ。パワハラが原因じゃなくて、会社側が「あなたは体調が悪そうだから、休みなさい」と会社側の命令として休職させた場合は、状況が変わる。この場合、労働法の原則として、会社は休職中も「休職給」や「傷病手当相当額」を払わなきゃいけないんだ。これは労働契約法第8条などで、労働者を保護する考え方に基づいてる。

つまり、パワハラが原因で自分が「休職したい」と申し出たケースと、会社が「休んでくれ」と命じたケースでは、給料の扱いが違う可能性があるってわけだ。これはかなり微妙な差なんだけど、裁判ではよく争点になる。

今日の教授まとめ

パワハラが原因の休職給は、会社の債務不履行責任として請求できる可能性がある。証拠があれば、給料の全額または一部が認められることが多い。ただし傷病手当金がある場合は調整される。まずは医師の診断書を取り、可能なら厚生労働省や労働基準監督署に相談することが大事だ。

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2026年8月15日、消費者支援協会はSNS型投資詐欺・副業詐欺に関する注意喚起を公開した。パワハラで仕事を失い、焦った労働者が「簡単に稼げる副業」という詐欺に引っかかるケースが増えているという。この時期に話題になってるのは、労働環境の悪化と経済的困窮が結びついてることを示してるんだ。

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神崎教授
神崎教授
パワハラで苦しむ人は、まずは「黙って我慢」をやめることだ。証拠を集めて、労基署や裁判所に相談する勇気が大事。法律は、そういう人を守るためにある。

📖 今日の法律用語:傷病手当金(しょうびょうてあてきん)= 健康保険加入者が病気やケガで働けない場合に、給料の約3分の2を最長1年6ヶ月間支給する社会保険制度。医師の診断と会社への届出が必要。

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