【2026.5.8】離婚時に親権で揉める理由|親権と監護権の「二つの権利」がもたらす法的ジレンマを解説

家族法・相続・離婚
神崎教授
神崎教授
今日は「親権」と「監護権」という、離婚時に最もトラブルになりやすい二つの権利について考えてみようね。実は多くの親が、この二つが別物だってことを知らないんだ。

「親権」と「監護権」は別物?

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離婚するときに、子どもをめぐって最も争われるのが親権です。ところが、法律上は「親権」と「監護権」という二つの異なる権利が存在するんです。これ、知らない人がほとんどなんだ。

親権とは、子どもの身上監護(教育・生活・医療など日々のお世話)と財産管理(子どもの不動産や預貯金を管理する権利)の両方を含む包括的な権利です。一方、監護権は身上監護だけを指します。つまり、親権を持たなくても、日々子どもと一緒に生活する権利だけ手に入れることができるということなんですね。

e-Gov法令検索で見ると、民法第820条は親権者の義務として「子ども以外の者に児童を預けることを禁止」と書いてあります。でも実は離婚時に親権と監護権を分けることが法律で認められているんです。

蓮
えっ、親権と監護権が別々に決められるんですか?そんなことって実際にあるんですか?

実務では「親権と監護権の分離」が増えている

実務では意外とよく起こります。たとえば、母親が親権を持つけれど、父親が監護権を持つ(つまり子どもと一緒に生活する)というケースがあるんです。こうなると、子どもは父親の家で毎日を過ごしますが、進学や進路、不動産などの財産管理は母親が決めるということになります。

なぜこんなことが起きるのか。それは、離婚協議で「子どもの親権は譲りたくないけど、実際に育てるのは難しい」という親の事情が反映されるからです。特に経済的に困難な母親が親権を手放したくない場合、父親が実際の監護をしながら、母親が親権を保持するという妥協策が取られることがあります。

ただし、これは双方が合意した場合です。家庭裁判所は、争いがある場合「子の利益」を最優先に判断するため、離婚後に親権と監護権が分かれたままでいいのか、定期的に見直すべき判例も増えているんですね。

親権がないと何ができなくなるのか

親権がないと、実は生活面で困ることがたくさんあります。例えば、子どもが学校の入学手続き、修学旅行の参加同意、手術などの重要な医療決定をするときに、親権者の同意が必要になるんです。

さらに、子どもが相続人になったときの遺産分割協議にも、親権者が代理して参加しなければなりません。親権がない親は、日々の監護はしているのに、こうした重要な決定には関与できないという矛盾が生じるわけです。

神崎教授
神崎教授
だから離婚時は「子どもはどちらについていくか」だけでなく「誰が親権を持つか」をしっかり区別して考える必要があるんです。感情的に決めると、後で大変なことになってしまう。

今日の教授まとめ

親権と監護権は別の権利です。親権は子どもの教育や財産管理を決める法律的な権利で、監護権は日々の養育を担当する事実上の権利。離婚時には両者の同意で分けることができますが、子の最善の利益を常に考える必要があります。家庭裁判所の判例でも、親権と監護権のズレが子どもにストレスをもたらす場合、見直しを求める傾向が強まっています。

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蓮
親権と監護権を分けるなんて…離婚ってホント複雑ですね。こんなことなら最初から一緒にいればいいのに(笑)
神崎教授
神崎教授
そこだね(笑)。でも人生は予測不可能だから、法律が「もしもの時」をしっかり規定してくれるわけです。まあ、使わないに越したことはないってやつだな。

📖 今日の法律用語:親権(しんけん) = 親が子どもの身上監護と財産管理をする法律上の権利。監護権(日々の養育)とは別物で、離婚時に分離することが可能。

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