
「いいね押すだけ」のSNS詐欺が急増している理由

国民生活センターの最新データによると、SNS経由の詐欺被害は2025年だけで2万件以上に達しており、その多くが「簡単副業」という名目で始まっているんだ。特に「『いいね』を押すだけで月5万円」みたいな投稿が、若い世代を中心に被害を広げている。
この手の詐欺の巧妙なところは、まず無料で参加させるということ。最初は本当に少額の報酬をもらえたりして「この話は本物かも」と信じさせるんだ。ところが詐欺師の目的はここからで、次のステップで「本当に稼ぐにはこのツール(有料)が必要」「登録金として3万円」という高額な請求が来る。気づいた時には数十万円の被害になっているケースがほとんどなんだ。
「詐欺罪」と「特定商取引法違反」の二重の法的責任
こうした詐欺者は、実は複数の法律で逮捕・罰せられる可能性がある。まず最も重い罪は刑法246条の詐欺罪だよ。これは「人を騙して金銭や物品を交付させた」場合に成立するもので、懲役10年以下という重い刑罰がある。
さらに、商品やサービスを売りつけるプロセスで特定商取引法違反も問われることが多い。特に虚偽の広告(「簡単に稼げる」など)や、契約前に重要事項を隠す行為は、特定商取引法第5条の違反となり、懲役3年以下、罰金300万円以下の処罰を受ける。詐欺罪と両方成立すれば、判決では一般的に詐欺罪の方が優先されるが、いずれにせよ重大犯罪として扱われるんだ。

被害者救済制度――「消費者契約法」と返金請求の道
いい質問だね。確かに詐欺師を逮捕するだけでは、被害者のお金は戻ってこない。だからこそ法律は被害者保護を重視しているんだ。
第一に、消費者契約法第4条という法律がある。これは「事業者が消費者に対して虚偽の説明をして契約させた場合、その契約は取り消せる」と定めているんだ。つまり「高額な登録料を払ったけど、実際には稼げない」という状況なら、その契約は初めからなかったことにできる。その結果、詐欺師側に返金義務が生じるわけだ。
第二に、国民生活センターや各都道府県の消費生活センターに相談できる。ここで仲裁を受けたり、詐欺の証拠を集める手助けを受けたりすることができる。第三に、被害額が大きければ民事訴訟で返金請求をすることも可能だ。ただし訴訟には弁護士費用がかかるため、少額被害の場合は簡易裁判所での「少額訴訟」(60万円以下)という簡潔な手続きもある。

「消費者月間」が5月な理由――法律の目指すもの
ちなみに、なぜ5月が「消費者月間」なのか知ってるかな?これは消費者基本法が制定された5月30日を記念して設定されたんだ。1968年に制定されたこの法律は、高度経済成長期の日本で、消費者が事業者との圧倒的な力関係の差に苦しんでいた時代に生まれた。「企業は強く、消費者は弱い」という不公正さを正すために、法律が消費者側を積極的に保護する、という姿勢が今日でも貫かれている。
だから詐欺罪や消費者契約法という法律も、本来は「企業による一方的な搾取から消費者を守る」という理想のために存在しているんだ。消費者月間にこうした被害が報道されるのは、単なる啓発ではなく、法制度そのものが「私たちの生活を守るために存在する」という事実を思い出させてくれるチャンスなんだよ。
今日の教授まとめ
SNS詐欺は「詐欺罪」と「特定商取引法違反」という重い犯罪だ。被害者は消費者契約法で契約を取り消したり、民事訴訟で返金請求したりできる。何より大切なのは「簡単に稼ぐ話は存在しない」という当たり前の感覚を持つこと。詐欺師は法律の隙をついているのではなく、人間の欲望をついているんだ。
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📚 読者の方へ:「これって本当に合法?」「この法律どういう意味?」と思ったら、ぜひ六法や公式資料も一緒に確認してみてください。
📖 今日の法律用語:消費者契約法=消費者と事業者の取引において、消費者の利益を守るために制定された法律。虚偽説明や不利益情報の隠蔽があれば、契約の取り消しが認められる。

