
親権と扶養義務は別物だということ
多くの人が勘違いしているのは、親権を失う=子どもとの関係が消えるということだ。でも実際はそうじゃない。親権と扶養義務は法律上、別ものなんだ。親権というのは、子どもの教育方針を決めたり、進学先を選んだり、医療判断をしたりといった「子どもの人生に関わる決定権」のこと。一方、扶養義務は「経済的に子どもを支える義務」を指している。
民法第765条で親権者が定められる一方で、同法第877条で「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と規定されている。つまり、親権がなくても、あなたが子どもの親である限り、その子を経済的に支える義務は消えないんだ。これは離婚しても変わらない。


養育費の額は「親の経済能力」で決まる
その通りだ。離婚の際、親権者が決まったら、親権がない親(通常は非親権者)から親権者に対して養育費が支払われることになる。その額は、親の年収や職業といった「経済能力」をもとに計算される。
家庭裁判所では、非親権者の月収から基本的な生活費を差し引いた部分の一定割合を養育費として決定する。例えば、月収が35万円の父親が親権を失った場合、実際の養育費は月4〜6万円程度になることが多い。ただし、子どもが複数いたり、親権者が無職だったり、病気だったりすれば、その事情を加味して増減する可能性もある。
重要なのは、親権の有無に関わらず、双方の親に子どもを扶養する法的責任があるということ。これを「子どもの最善の利益」という法律原則で支える。つまり、親権がないからといって「もう関係ない」とはいかないわけだ。

養育費が払えないときはどうなるの?
実務上よく起きるのが「約束した養育費が払えなくなる」というケースだ。失業したり、病気になったり、再婚して新しい家族ができたりすると、経済状況が変わる。そういうときは、家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てることができる。
ただし注意すべき点は、単に「払いたくないから」という理由では認められないということ。客観的に「経済状況が悪化した」という証拠(失業証明書や給与明細など)が必要になる。また、新しい配偶者の収入は「減額理由」にはならない。あくまで非親権者本人の経済能力が基準なんだ。
養育費を支払わないまま放置すると、親権者側が強制執行を申し立てることもできる。給与の差し押さえといった強制措置も視野に入るわけだ。
今日の教授まとめ
親権と扶養義務は別物。親権を失っても、あなたは親であり、その子を経済的に支える義務を法律は求める。これは「子どもの権利」を守るための法律の知恵なんだ。離婚は夫婦の関係を終わらせるが、親としての責任は終わらない。その覚悟をもって人生を考えることが大事だよ。

