
憲法改正の時代こそ、基本的人権の本質を知ろう
緊急事態条項や参議院の合区解消といった具体的な改憲議論が活発になっている今、見落とされやすいのが「憲法の根本原則」なんだ。日本国憲法には3つの大原則がある。それが国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義だね。このうち、特に気をつけなければならないのが基本的人権の尊重という原則なんだ。
なぜなら、憲法第97条には「この憲法が国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と書かれているからなんだ。つまり、基本的人権は「国民から国家への信託」であり、誰も奪うことはできない。改憲によってさえもね。

「永久の権利」って、改憲でも変えられないってこと?
そう、その通りなんだ。日本国憲法の最も奥深い秘密がここにあるんだ。実は、憲法は第96条で「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案し、その承認を経なければならない」と改正手続を定めているんだ。
しかし、だからといってあらゆる条項が改正可能というわけではない。これを「改憲の限界」という。特に人権侵害的な改憲は、たとえ国民投票で可決されたとしても憲法学の多数説では「無効」と考えられているんだ。例えば「言論の自由を禁止する」「参政権を特定の人種に制限する」といった改正は、形式的には有効でも、立憲主義の根本原則に反するということですね。

民主主義と立憲主義のジレンマ
ああ、いい質問だね。実はこれが立憲主義の核心なんだ。日本国憲法が作られた背景には、戦前の日本や当時のナチス・ドイツの教訓があるんだ。民主的な手続を経て、民主主義そのものを廃止する法律や改憲が行われることを防ぐために「立憲主義」という考え方が生まれたんですよ。
つまり、民主主義だけでは足りない。民主主義の多数決であっても、人権を根本的に奪うようなルール変更は許さない、という手続的民主主義と実質的人権保障の両立が必要なんだ。これが「民主的に決まったことでも、基本的人権は永遠に守られなければならない」という考え方につながっているんですね。

今日の教授まとめ
日本国憲法の基本的人権は「永久の権利」であり、最高裁判所の判例でもその本質は厳重に守られている。改憲が議論される今だからこそ、民主主義と立憲主義の両立という「憲法の最大の工夫」を理解することが、市民の責務なんだ。
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📰 関連最新ニュース
まさに今、衆議院憲法審査会では緊急事態条項のイメージ案をもとにした2回目の討議が行われている(NHK 2026年5月21日)。同時に参議院憲法審査会では参議院の「合区」解消をめぐって各党の見解が述べられている(NHK 2026年5月20日)。改憲議論が本格化する中で、人権保障の原則がどう守られるのかが焦点になっていくんだ。
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📖 今日の法律用語:立憲主義=「権力は基本的人権の上に成り立つ」という考え方。民主主義だけでなく、人権を根本的に守ることで初めて国家が正当性を持つという原則。

