【2026.9.10】SNS投資詐欺が「恋愛感情」で進化している理由|デジタル詐欺と特定商取引法の盲点をわかりやすく解説

デジタル法・SNS・AI
神崎教授
神崎教授
蓮、ちょっと悲しいニュースなんだけど、また SNS投資詐欺が新しい手口で被害を広げているんだ。今日は「恋愛感情を利用した詐欺」と法律の関係について、一緒に考えてみようか。

「優月」という名前の詐欺師が690万円奪った…その仕組みは

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長崎県の60代男性が、SNSで知り合った女性「優月」と恋愛関係になったと思い込んで、投資名目で約690万円をだまし取られたという事件が報道されました。ここで重要なのは、単なる「詐欺罪」ではなく、恋愛感情を武器に使った悪質な手口だということです。

このケースでは、詐欺師が男性と信頼関係を築いて心理的に支配し、その上で「投資で儲かる」という甘い言葉で金銭を吸い上げました。法律では、この行為を詐欺罪(刑法246条)として処罰できますが、なぜこのような詐欺が増え続けるのか——それは、デジタル時代の法律の盲点にあるんです。

蓮
蓮
盲点…ですか?スマホだから簡単に捕まらないってことですか?

特定商取引法が「SNS投資詐欺」に対応しきれていない理由

そうだね。実はこれは、法律の「前提の甘さ」が問題なんだ。特定商取引法という消費者保護法があるんですが、この法律は「訪問販売」「電話勧誘販売」「インターネット販売」など、販売形式ごとに規制を分けているんです。

ところが SNS を使った投資勧誘は、どのカテゴリーにも当てはまらない「グレーゾーン」になってしまうことが多いんです。さらに問題なのは、投資商品自体が金融商品取引法の管轄であって、消費者保護とは別の枠組みで規制されているため、「誰が責任を持つのか」が曖昧になってしまうんですよ。

このニュースのケースでは、詐欺罪として刑事告発することは可能ですが、被害者が全額取り戻せる可能性は極めて低いんです。なぜなら、詐欺罪は「加害者を処罰する」法律であって、「被害者を救済する」法律ではないからなんです。

なぜ恋愛感情を使う詐欺が特に危険なのか——心理学と法律の交差点

ここが実に興味深い問題でね。詐欺罪として立件するには、被害者が「相手が偽った」ことに気づく必要があります。ところが恋愛感情が絡むと、被害者の判断力が低下してしまうんです。

心理学的には「恋愛脳」と呼ばれる状態で、危険な判断をしてしまうことが知られています。法律も「そこまでの心理的支配を考慮すべきではないか」という議論が出ていますが、現在の詐欺罪は客観的な「虚偽」と「損失」の因果関係で判断されているため、「心理的に操られていたから」という理由だけでは立件が難しいんですよ。

神崎教授
神崎教授
オーストラリアが「デジタル安全法」で罰金120億円という厳しい規制を導入しているのは、実はこういう背景があるんです。日本も同じような法改正が必要になってくるかもしれませんね。

今日の教授まとめ

SNS投資詐欺が「恋愛感情」を武器にする理由は、法律の隙間を狙った合理的な戦略なんです。警察庁も対応を強化していますが、個人レベルでは「SNS上で投資を勧めてくる相手は詐欺の可能性が高い」と疑う習慣をつけることが最善の防衛策です。法律は後追いになりやすいからね。

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📚 読者の方へ:「これって本当に合法?」「この法律どういう意味?」と思ったら、ぜひ六法や公式資料も一緒に確認してみてください。
蓮
蓮
SNS投資詐欺って、法律が追いつく前に新しい手口が出てくるんですね…怖い。
神崎教授
神崎教授
そうなんだ。だからこそ「法律が完璧に守ってくれる」と思わず、自分たちが「最初の防衛線」になることが大切なんだよ。これは法律じゃなく、生活の知恵だね。

📖 今日の法律用語:詐欺罪=相手を騙して金品や利益を奪う犯罪。刑法246条で「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められている

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