【2026.10.22】親が遺したスマホに100万円?|デジタル遺産と相続の新しい課題をわかりやすく解説

家族法・相続・離婚
神崎教授
神崎教授
蓮くん、今日のテーマは「デジタル遺産」だ。親のスマホやクラウドに眠る資産、相続できるって知ってた?相続法の新しい課題をいっしょに考えてみようか。

スマホやクラウドが「遺産」になる時代

かつて相続といえば、土地・建物・現金・銀行預金など、形のある財産をイメージしていたんだ。ところが今、仮想通貨・デジタルウォレット・オンラインストレージの有料契約・ポイント・サブスクリプションなど、デジタル上の資産が相続の対象になるケースが急増している。特に親がスマホにSuicaやPayPay残高で100万円以上保有していたり、クラウドに暗号資産を保管していたりするケースで、子どもが遺産だと気づかずに放置する問題が深刻化しているんだ。

なぜこんなことが起きるのかというと、デジタル資産は「目に見えない」「パスワード情報が相続人に伝わっていない」「金融機関が把握していない」という特性があるからだ。国税庁も2024年度から「デジタル遺産の相続税評価」について通知を開始しているほど、これは現代の相続税・相続法の大問題になってるんだよ。

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相続財産になる「デジタル資産」は何か?

最高裁判所の判例や相続税法の考え方では、デジタル資産でも「経済的価値」があれば、基本的に相続財産に該当する。具体的には以下のようなものが挙げられるんだ:

①暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど) — 金銭評価が可能なため相続税の対象。時価で評価される

②デジタルウォレット(PayPay・Apple Wallet・Google Payなど) — 残高は被相続人の財産だ。銀行口座と同じ扱い

③オンラインストレージの有料契約 — 契約権自体は相続されるが、月額料金の支払義務も継承される

④ポイント・マイル — 航空会社やクレカ会社が発行するポイントは相続人が引き継げる場合が多いが、利用規約に「死亡時は失効」と書いてあれば無効になる

⑤ネットバンク・証券口座の現金・有価証券 — これは明らかに相続財産だ

⑥オンラインビジネス(YouTubeの広告収入・ブログのアフィリエイト) — 亡くなった人が稼いだ分は被相続人の所得。相続人が継続できるかは利用規約次第

蓮
蓮
でも教授、その資産にアクセスするにはパスワードが必要じゃないですか!相続人が親のスマホのロック解除できなかったら、遺産を発見することもできないんじゃ…?

「パスワード問題」が相続の最大の壁

いい質問だ。蓮くんの指摘は、今の相続実務の最大の課題なんだよ。パスワード・生体認証・2段階認証は、デジタル資産を守るセキュリティの仕組みだが、同時に「親が亡くなった直後、相続人がアクセスできない」という深刻な問題を生む。

現在、法的に相続人がパスワードなしでスマホやアカウントにアクセスすることは、刑法235条の「不正アクセス禁止法」に触れる可能性がある。つまり「デジタル遺産が存在すること自体を相続人が知らない」というケースが大量に発生しているんだ。

対策としては、生前に親が「パスワード管理ノート」を家族に共有する、またはエンディングノートにアカウント情報を記載することが有効だ。最近では、デジタル資産に特化した「遺言執行者委任制度」の導入を検討している自治体も増えているんだよ。

相続税はどう計算される?

デジタル資産に相続税がかかるかという質問もよく受ける。答えはイエス、かかる。ただし評価方法が複雑なんだ。

暗号資産 — 相続開始日の市場価格で評価される。ビットコインが1BTC=800万円なら、0.1BTC=80万円として相続税申告

デジタルウォレット残高 — 銀行口座と同じく、相続開始日の残高がそのまま相続財産に。ただし各サービス業者に問い合わせて残高証明を取得する必要がある

ポイント・マイル — 相続可能な場合、その時点での換金価値で評価される

国税庁は2024年から、デジタル資産の相続税申告について「相続税基本通達」を改正して、統一的な評価基準を示そうとしているんだ。

神崎教授
神崎教授
大事なのは、デジタル遺産は「見つけられない遺産」になりやすいってことだ。相続人が知らなかったら、申告もしないわけだからね。国税庁に申告漏れで見つかると加算税がかかることもある。

今日の教授まとめ

親のスマホやクラウドに眠るデジタル資産は、今や相続の必須知識だ。暗号資産・ウォレット・ポイントなど、形のない財産もきちんと相続税の対象になる。生前にパスワード管理やエンディングノート作成を家族で話し合うことが、トラブル防止の第一歩だよ。迷ったら弁護士や税理士に相談してね。

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蓮
蓮
教授、じゃあ僕のスマホにポイント100万円くらい入ってるんですけど、これって遺産扱いされちゃいます?
神崎教授
神崎教授
君が今生きてるんだから遺産じゃなくて「資産」だ。でもね、親に「遺した場合」は相続財産になるってことだよ。つまり君が親より先に死んだら、親がそのポイント相続する羽目になるってわけ(笑)。..ごめん、悪い冗談だ。

📖 今日の法律用語:デジタル遺産=被相続人が所有していたスマートフォン・暗号資産・オンラインアカウント・ポイント・オンラインストレージなど、デジタル上に存在する経済的価値を持つ資産の総称。相続税の対象になる。

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