【2026.9.8】ストーキングと「恋人だと思い込む」ケースで初判決へ|迷惑行為が罪になる法律と心理の複雑性をわかりやすく解説

刑法・犯罪・裁判
神崎教授
神崎教授
蓮くん、今日のテーマはちょっと複雑だよ。韓国の事件だけど、「ストーキング罪」と「被害者の精神状態」の関係について、日本の法律と一緒に考えてみようか。

「元恋人だと思い込んでいる」被害者が現れた?

韓国の俳優・ファン・ジョンミンさんをめぐる事件で、40代の女性がストーキング罪で起訴されました。驚くべき点は、この女性が「自分はファン・ジョンミンの元恋人だ」と主張していることです。実際には何の関係もない女性が、一方的に「恋愛関係があった」と信じ込んでいるわけですね。これは何が問題なのか、法律の観点から見てみましょう。

court justice judge law
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日本の法律でも同じ課題を抱えています。ストーキング行為等の規制等に関する法律(ストーキング防止法)では、相手を「恐怖させるような」行為が禁止されていますが、「相手が実は恋人だと思い込んでいる加害者」をどう扱うかは、非常に微妙な問題なんです。

蓮
蓮
でも、存在しない恋愛関係なんて、相手は怖いじゃないですか!

ストーキング罪は「加害者の意思」と「被害者の恐怖」の両方が重要

そこが法律の難しいところなんだ。日本のストーキング防止法第2条では、ストーキングは「同一の者に対し、繰り返し」「その者を恐怖させるような」行為と定義されています。つまり、加害者が「恋人だと思ってる」かどうかは直接的には関係なく、被害者が実際に恐怖を感じたかどうかが判断の基準になるわけです。

ストーキング防止法では、以下のような行為が禁止されています:つきまとい・待ち伏せ・玄関や職場での出現・メールやSNSへの執拗な連絡・家族の安全を害するようなほのめかし。この事件では、検察が「恐怖を感じるほど」という表現を使っていますね。つまり、女性の「恋人だと思い込む」という心理状態は、加害者の主観としては無関係に、被害者への客観的な危害で判断されるわけです。

心神喪失・心神耗弱との違いは?

「でも、加害者が本当に恋人だと信じ込んでいたら、責任能力がないのでは?」と疑問に思うかもしれません。刑法第39条では、「心神喪失者の行為は罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と規定されています。つまり、精神疾患で現実とのズレが激しい場合、責任能力が問われない可能性があるわけです。

しかし、この事件の女性に対して検察が罰金600万ウォン(約60万円相当)を求刑したということは、法院(裁判所)が「彼女には責任能力がある」と判断したと推測されます。つまり、妄想的な信念がどの程度強烈でも、違法行為の認識と制御能力があると認定されたわけですね。

日本で同じケースなら?

日本でこのような事件が起きた場合、どうなるでしょう。最高裁判所の判例では、ストーキング行為は迷惑行為罪(軽犯罪法第1条第33号)やストーキング防止法違反として訴追される可能性があります。加害者の「恋人だと思い込んでいた」という事情は情状酌量の余地はありますが、罪を免れることはまずありません。むしろ、精神医学的な鑑定を通じて「妄想性障害」や「統合失調症」の可能性が検討され、刑罰が減軽される場合もあります。

今日の教授まとめ

ストーキング犯罪は、加害者の「思い込み」がどれほど強固でも、それで罪が消える訳ではありません。法律が守るのは「被害者の安全」であり、加害者の主観的な世界観ではないからです。ただし、精神疾患が認定されれば、刑罰は減軽される可能性があります。このバランスが、近代刑法の本質なんだよ。

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韓国での判決展開
ファン・ジョンミンさんへのストーキング事件は、9月2026年秋に判決が予想されています。検察が求刑した罰金600万ウォンが妥当とされるか、あるいはさらに厳しい判断が下されるかが注目されます。また、被害者の「私生活暴露」で処罰された女性とは別件の可能性もあります。
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神崎教授
神崎教授
恋愛は人生で最も美しい感情の一つだけど、相手の同意なしに一方的な「愛情」を押し付けるのは、法律では「恐怖」に変わっちゃうんだ。複雑だね。

📖 今日の法律用語:ストーキング行為=同一の者に対し繰り返し行われ、その者を恐怖させるような迷惑行為。メール・つきまとい・待ち伏せなどが該当する。加害者の主観は問わず、被害者の恐怖が基準になる。

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